『約束』 (角川文庫)

約束 (角川文庫 い 60-1)

おすすめ度 ★★★★☆


★★★☆☆ 2008-08-26 泣けるけど、前向きないい話しを読んでみたいときに。
大変有名な筆者の本を、はじめて読んだ。

これまでなんとなく読まず嫌いだった。

とても読み進めやすくて、読後感も良い本だった。

短編集なので、色々な味わいが楽しめた。話のバラエティも豊富。

人それぞれだと思うが、自分は一話目と最後がとても良かった。

どれも泣ける話しだったが、それでも無理に泣かそうとしてないのが、小説としていい感じだった。

こういう感じだったら、筆者のほかの本も読んでみてもいいかと思った。

★★★★★ 2008-03-19 悲劇的だけど前向き
物語は悲劇的、かつ感傷的ではあっても、物語全体が前向きに進んでいる。

その点で、悲しくもあり、反面、勇気付けられたりする。



物語はファンタジックかつ、サイコーティックでもある。

診断基準に照らし合わせると、この場合はPTSDに相当しない。

それでも、PTSDという名前を出して、世間の認識を利用して、物語を組み立てている。



著者は他の作品、例えば「秋葉原DEEP」でも、サイコーティックな部分を、うまく利用している。

同時に著者は、精神心理的に脆弱な人々に対して、温かい眼差しを送る。



考えてみると、二人の主人公のうち、一方の悩み方は、少々奇妙だ。

それでも、その奇妙さ故に、物語に深く引き込まれるという、さらに奇妙な感覚になる。



そして、本書は前向きだ。

どんなに悲劇的、かつ、悲しくても、だ。



★★★★★ 2008-02-25 失った者との約束
短い短編集だけど、心が洗われていくような短編ばかり。

よくぞ、ここまできれいなものを集められたと感心した。

亡くなった人を想い、失ったことの悲しみから、やがて立ち上がり、

そして前を向いて歩き出す物語。

だから決して喪失感ばかりの泣かせる物語ではない。

涙は出ないけど、読んだ後に、なんともいえない優しい想いがわき上がる。

こんな風に亡くなった人を想うことができれば、人は誰も優しくなれると思う。

思わず見つけた「いい本」

忙しさに忙殺されている人は、ぜひ一度読んでみてほしい。

★★★☆☆ 2007-10-22 約束
初めて作者の短編集を読みました。内容はシンプルでしたが、石田衣良さんのさりげない表現がとても心地よかったです。何の約束?と最後まで思いながら読みました。男の子の勇気と友情、とてもいいなと思いました。通り魔に刺された一人の勇気ある小学生、残された者の方が辛いと言う現代をよくあらわしているなと思いました。

★★★★☆ 2007-10-18 石田作品の中では、落ち着いた一冊
 また一冊、良い本を見つけた。

 石田さんは優れた仕事をされていると思う。普遍的な何かを追うのもよいが、現代日本をしっかりと描ききるのも大事だと、確か「LAST」の後書きで書かれていたが、その本道を行っている。

 短編集だが、冒頭に配置されている表題作「約束」は池田小学校の通り魔事件に材を取っている。無論、それが勝手な想像や偽善になりがちであることを踏まえながらも、石田さんなりの重みで、しっかりと独立した物語を作っていく。



 個人的には、本作のなかの二編ほどは、まるで自分のことのように響き、追体験をしながら、何がしかが胸の中を通り過ぎていった。

 優れた作品ゆえの感覚だろう。

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